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【医薬品等の広告】化粧品と医薬部外品の違い

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神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。

相談窓口でよくあるのが、広告に関するご質問です。

医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品(以下医薬品等)にはそれぞれ区分があり、効能効果に応じた許可や承認をとるため、広告表現もその許可範囲を超えてはいけません。

 

歯磨きvs薬用歯磨き

ざっくりした例ですが、普通の歯磨きは化粧品で、薬用歯磨きは医薬部外品です。

化粧品のくせに医薬部外品のような広告表現を使うのは許されないわけです。

 

化粧品の歯磨きは、

などの効能効果があります。

 

一方医薬部外品の歯磨きは、フッ化物、殺菌剤、抗炎症剤等各種の薬効成分を配合することから、上記の効能効果に加えて、

など、化粧品にはない効能効果があります。

これは、法令に定める方法で実証された効能効果です。

 

厳しい取り締まり

事業者さんとしては自社製品を売りたいですから、良いことをたくさん並べて宣伝したいのもわかります。

しかし医薬品等には、医薬品医療機器等法の許可範囲がありますから、そこを超えてはいけません。

 

医薬品医療機器等法は厳しくて、取り締まりも行われています。

違反を指摘されてすぐに修正すれば良いのですが、知らんぷりして営業を続けていると本当に逮捕されます。

他の業界では広告の文言にここまで厳しくはありませんが、そこは「医薬品等」ならではの理由があるのです。

 

上記の歯磨きの例で、虫歯を患っている消費者が、医療機関で治療するのは当然としても、忙しいので自分でもこれ以上進行しないよう対処したいとします。

実は化粧品の効能しかないのに、まるで医薬部外品の効果があるような広告をしている商品があったら、この消費者は間違って買ってしまうでしょう。

 

そうすると「この歯磨きを使えば虫歯の進行を抑えるはずだ!だから歯医者さんには来月行くのでいいだろう」という判断をしてしまうかもしれません。

この商品を使ってしまったことで、この消費者は適正な治療を受ける機会を逸失してしまいます。一月の間に虫歯が進行してしまうかもしれません。

 

虫歯ならまだしも、これがガンや糖尿病などもっと深刻な病気だったらどうでしょう。。。

医薬品等の広告が厳しいのはこういう理由からなのです。

 

景品表示法の規制

上記の歯磨きの例で、現実的には厚生労働省の管轄になりますが、景品表示法の規制にかかるのはどの部分かというと、この消費者に「優良誤認」させたところです(景品表示法第4条第一項第一号)。

優良誤認とは、製品の実態よりも著しく良いと消費者に誤解させることを言います。

 

この景品表示法に、ついに課徴金制度が導入されることになりました。

法改正は食品表示の偽装が多いことへの対応が主な理由ですが、医薬品等にも少なからず影響してきます。

次回は、優良誤認と有利誤認など、景品表示法の詳細と改正についてお知らせします。

 

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