あけましておめでとうございます、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新しい在留資格「特定技能」が2019年4月に制度施行されてから、8ヶ月以上が経ちました。
これまでの経過
関係者にとっては「やっと」という感がありますが、ベトナムやインドネシアなどの他国と比べると、決して遅い方ではありません。
ここでちょっと、昨年の動きをおさらいします。
POLO東京のHPで発表されたアナウンスメントを時系列に押さえると、フィリピン政府の検討の経過が見えてきますね。
3月19日、日本とフィリピンとの二国間協定(Memorandum)の締結
3月22日付け、特定技能のガイドライン(201)を公表
4月、第一回介護分野の技能試験がマニラで実施
8月8日、ガイドライン(201-A)を公表
11月26日、日本語トレーニングセンターの認定制度に関するガイドライン(206)を公表
11月29日、ガイドライン(201、201-Aに続く官報)を公表
12月2日、POLO東京が特定技能の雇用書類受付を開始
ガイドラインの内容
8月8日に公表されたガイドラインは8ページにわたる内容で、この記事では日本の雇用主様にポイントとなる事項を、必要書類のリストと雇用契約書の要点から抜粋してお伝えしたいと思います。
・フィリピンの認定エージェント(Philippine Recruitment Agent)と人材送出しの契約をすること。
・直接雇用は当面禁止(検討中ともとれる。11月29日のガイドラインより)
・手続の対象は雇用主様(法人、要件を満たせば個人でも可)と人材派遣会社のみ
・登録支援機関やその他雇用ビジネスに関わるコンサルタント等は、手続の対象外
・日本に在留中に就労者が亡くなった場合、人骨や所持品をフィリピンへ送還する費用は、雇用主が払うこと。
・戦闘や自然災害またはこれに類似する状況になった場合は、雇用主が帰国費用を払うこと。
注意点
当社では高度人材フィリピン人の雇用サポートを行っていたため、特定技能が新設されてもPOLOとPOEAが関わってくることを想定し、詳細の発表を待っていました。
必要書類のフォームなどの具体的な内容がガイドラインにて公表され、蓋を開けてみれば「フィリピン人就労者の権利と利益を守る」というPOEAの基本的な方向性は全くぶれていません。
特定技能人材はいわゆる単純作業に従事することになるので、将来にわたって日本でやっていけるよう、また日本語や技能の試験が適正に運用されるよう、より配慮されていると思いました。
なお、今後も新しいルールが上乗せされていく可能性を示唆しているので、情報のアップデートは欠かせません。
雇用主様の認定がスムーズに行われるよう、引き続き雇用主様とフィリピン人就労者さん、フィリピン政府を適正につなぐ仕事をしていく所存です。
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