神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。
前回に引き続き、AmazonのFBAについてお知らせします。
FBAではAmazonが、受注管理、出荷業務、出荷後のカスタマーサービスまで代行してくれます。
とても便利なシステムですが、ルールもちゃんとあります。
まず食品輸入においては大口出品のみで、小口出品では食品を輸出入することはできません。
そして、出品禁止商品というものがあります。
メルカリや楽天にも同様の規制があるようですね。
大口出品のFBAで取扱いが禁止の商品リストはこちら。
こんなにあった、禁止商品
例を挙げると、
非合法な製品、アダルト製品、許認可が必要となるもの、鯨肉・イルカ肉などを使った食品、日本の法令やガイドラインに適合しない食品・飲料、銃器・弾薬および兵器、または盗品や不快感を与える商品。。。
などがあります。
要は違法不法のものはダメ、ということですね。
薬事にかかる禁止商品
禁止商品のリストを見ていると、医薬品医療機器等法(旧薬事法)にかかるものが結構あります。
処方箋医薬品(医師の処方箋がないと販売できない医薬品)
輸入食品及び飲料(日本の法令やガイドラインに適合しないもの)
動物用医薬品(製造販売業の許可が必要)
ゲルマニウム含有のサプリメント(食欲不振などの健康被害があり、死亡例もある)
ホルムアルデヒド含有の化粧品(原料に防腐剤として配合され、肌荒れの原因となる)
医薬品、医療機器、化粧品の小分け商品(小分け作業には製造業の許可が必要)
海外製医療器具・医薬品(日本国内で認証・承認を受けていないもの)
健康食品をFBAで販売する場合
輸入した健康食品を販売するには、食品表示法の他に、医薬品医療機器等法や健康増進法などが関わってきます。
医薬品か食品かという判断基準は日本とアメリカとで異なりますので、せっかくアメリカから運んでAmazonの倉庫に在庫しても、禁止商品に該当しては元も子もありません。
何よりAmazonの倉庫にたどり着く前に、税関検査で引っかかるでしょう。
また広告や表示の文言によって「医薬品的な効能効果をうたっている」として、取り締まりの対象になることもありえます。
広告規制も日本とアメリカでは違いますから、アメリカでの広告表示をそのまま日本で使用するのは危険です。
禁止商品のリストを見ると詳しく書いてあるようですが、適合不適合の判断は個々の出品者のチェックに委ねられています。
商品は自己責任で輸入することが前提で、健康食品の場合は国内に住所のある輸入者の存在が求められます。
輸入者は、商品の入港の数週間前に税関に届出を出したり、万一健康被害があったときに回収を行う責任者になります。