神奈川県行政書士会薬事相談員の横山です。
薬品や健康食品、化粧品などを販売するドラッグストアやスーパーは、医薬品等のみならず、洗剤など家庭用品や食料品まで扱っており、1カ所で買い物を済ませることができるので、消費者にとって便利ですね。
ところで、ドラッグストアなどにおいてある製品には、法律にのっとった分類があることをご存じでしょうか?
医薬品等の分類
例えば、「第3類医薬品」「医薬部外品」「機能性表示食品」など、また「トクホ」はよく聞く言葉ですが、これは正式には「特定保健用食品」のことです。
これら身近な製品の分類は、消費者の保健衛生上の目的にかなうことに加え、消費者保護の目的も合わせて、さまざまな法律によって規制されています。
今回は薬事法(平成26年より医薬品医療機器等法)の規制からご説明します。
医薬部外品と化粧品の違いについての記事は、こちら↓
薬事法の目的規制
医薬品と健康食品は、何が違うのでしょうか?
医薬品は病気の治療・予防が目的で、健康食品は健康維持・増進が目的、というのがザックリした答えです。
では、ダイエット=痩せることとなると、病気治療でしょうか、健康維持・増進でしょうか?
うーん、それは個々の健康状態や目的により変わる、というのが答えです。
例えば、血糖値の高いお父さんが体脂肪を減らそうとするダイエットは、治療・予防の一環になります。
しかし、元気な女子高生が毎年夏になると励むダイエットは、美容上の主観的な問題なので、目的は健康維持ですよね。
病気の治療・予防のために肥満を解消しなくてはならない人が、医薬品と間違えて健康食品を買ってしまったら、痩せられないだけでなく、医療機関で診断を受けるのが遅れてしまいます。
一方で、本来は健康維持で良い人が、「痩せる」効果のある医薬品を服用したことによる、想定外の副作用があったりしては、これも大変です。
薬事法では、消費者の健康効果のみならず、医薬品等の製造業者や販売業者に製品の品質や安全性を管理してもらうことも、目的としています。
健康食品にかかる規制
以上のような理由から、医薬品と健康食品は薬事法(現医薬品医療機器等法)できっちり区別されていますが、健康食品にかかる規制は薬事法だけではありません。
景品表示法、健康増進法、食品表示法。。。先に挙げたトクホや、ビタミン剤のような栄養機能食品には、独自のルールがあります。
法律を管轄する役所もそれぞれ異なるため、消費者も事業者も混乱することが多い分野です。
次回から、健康食品を製造、販売、もしくは購入しようとすると関わってくる、これらの法律について、一般の方にもわかりやすくご説明したいと思います。