再生医療等製品
11月25日施行を予定している、薬事法の改正(改正後→医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)。
先日はプログラム業者の新しい規定についてお知らせしました。
もう一つ、今回の改正で新しくカテゴリーが設けられたのが、再生医療等製品です。
山中教授のips細胞や、小保方教授のSTAP細胞など、再生医療の分野には期待と関心が集まります。
一方で、再生医療等製品にあたるものは人や動物の細胞を原料としていますから、完成品の性質を均一に保つのが難しいです。
ある意味オーダーメイド的な医薬品と言えますね。
そういった再生医療等製品の特質をふまえてどのような規制管理を行うかが大切。
しかし不均一な性質だからといって厳しく規制し過ぎては、今後の研究開発が進みません。
そうでなくとも日本はドラッグラグ(医薬品の承認審査に時間がかかりすぎて他国での承認と時間差が生じる)のために、経済的な損失を招いていた時代が長かったのです。
政府が再生医療等製品の開発、製品化に協力的になってきたと言えるでしょう。
とは言え、安全性と有効性の担保のハードルはもともと高く、改正法に伴って承認審査の基準やガイドラインとして厚労省から多くの法令や通知が発令されました。
定期的に国の機関がチェック
医薬品等の承認審査の基準を国際的にそろえようという方針もあって、再生医療等製品に限らず医薬品も医療機器も、取り扱い企業は常にコンプライアンス重視を課されています。
企業が独自に管理監督するだけでなく、定期的に国の機関がチェックに入るのです。
考えてみれば、植物や生物由来の医薬品原材料がコストや調達経路の簡単さから途上国で製造されていた場合、その衛生面や安全面での配慮がどこまでされているのかわからなくては大変ですよね。
また、薬効性の強い医薬品を製造したは良いが、製造過程で出る汚水や廃棄物の処理が一般のごみと一緒では社会的にまずいでしょう。
薬効性の強い原料や製品の保管管理は誰がどのように行うのか?などなど多くの項目をクリアしなければなりません。
再生医療等製品のみならず、医薬品等は製造工程や品質の管理、製造場所の構造設備に至るまで法律で基準が決められています。
そのおかげで私たちは安心して医薬品を使用することができるんですね!
改正法の下、優れた再生医療等製品が日本発で開発製品化されることを期待しています。