2022年の末頃、フィリピンのエージェントからPOLO/POEAがMWO/DMWに変わるという情報を入手しました。
私自身、フィリピンらしい”ポロ、ピーオーイーエー”という音の響きが好きでしたが、今後は”エムダブリューオー、ディーエムダブリュー”に慣れなくてはなりませんね。
コロナ前からの公約
具体的には、移民労働者省(Department of Migrant Workers, 海外就労者を扱う役所)の設立により、移民労働者に関連する各省庁やオフィスが一元化されました。
これはドゥテルテ前大統領の選挙公約で、2023年以降本格的に運用が開始されたとのことです。
POLO東京の公式ウェブサイトでも、2023年1月にアナウンスがされていますが、まだPOLO東京や大阪のウェブサイトじたいはPOLOのままです。
フィリピン人の雇用問題
2022年以前から、日本の外国人雇用において、フィリピンに特有のPOLO/POEAの手続き問題がありました。
他のベトナム人やインドネシア人とは異なり、フィリピン人だけが追加で手続きを行う必要がありました。
ただこれは、フィリピン国の政策によるものであるため、やむを得ない部分もあるかもしれません。
しかし、東京と大阪のPOLOで審査の基準が異なることは、日本国内やフィリピン国内の双方で不満の種となっていました。
日本の特定技能制度は、日本政府と送出し国の間で合意があり、最低賃金を満たしていればビザが認められるというルールです。
しかし、フィリピンだけが独自の高い給与基準を求めており、この事実が徐々に広まっていきました。
他の国でも「じゃあ私たちも同じように」という反応が起き、ベトナムやインドネシアでも給与に関する問題が生じたと聞いています。
雇用会社だけでなく、フィリピンの労働者本人や送出しエージェントからも不満が噴出していました。
コロナ禍を経て役所が再編された今、人の移動が再開し産業も活気づくタイミングで、問題解決に向けた良いタイミングだと思います。
メリット・デメリット
フィリピン国としては、海外で働く自国民の手続き、教育、福祉、帰国後のサポートなど、移民労働者の利便性を向上させることがメリットとなります。
これまで制度上の隙間や保護の及ばない海外雇用があったと仮定すると、今後は漏れのない管理が期待されます。
日本にとっても、フィリピン人労働者を受け入れる際の、何やら政治的な配慮が不要となることは大歓迎です。
手続きの透明性と公平性が維持されることを、大いに期待しています。
MWO発足から既に半年以上が経過し、弊社でも複数の実績があります。
高度人材については、MWO東京でもインタビューが省略されたり、審査期間が予定通り進んだりと、明らかに良い傾向が見られます。
特定技能は高度人材より審査は厳しい印象ですが、以前のような理解しにくい指示や問答無用な押しつけは、現時点ではありません。
フィリピン人高度人材(エンジニアさん)に関する過去記事はこちらです↓
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