この11月はバタバタしましたね。
2021年1月からまる10ヶ月、やっと開放されたと思いきやひと月ももたずに、日本の国境は再度クローズしてしまいました。
厳密には新規入国の外国人が対象なので、日本国籍者および日本人配偶者、永住者などは「特段の事情」があるとして、引き続き入国が認められます。
情報の錯綜
総選挙後の政府が、水際対策を緩和したのは11月5日でした。
新規の入国には業所管省庁から事前審査を受けることが条件だったので、その申請方法や申請先などの詳細を確認しようと、役所の電話は毎日パンク状態になりました。
2週目には経済産業省がGビズIDによる独自のオンライン申請を始め、3週目にはERFS(Entrants, Returners Follow up System)が公表されました。
そうこうするうちに、新株蔓延の予防により再度国境が閉まってしまい、審査の受付自体も停止されました。
「水際対策が緩和された」「また制限された」といった大まかな情報は、TVや新聞やネットのニュースでも流れます。
しかしこういう報道では、「留学生」や「技能実習生」といった一般の人が関心を持つキーワードのみで語られるのが実情。
正確で具体的な内容まで踏み込んでいないので、「うちの会社は該当するんだろうか?」とわからなくなるのも無理ありません。
当社にも、すでに事前審査が済んでいた会社様から、現時点での情報提供のご要望がありました。
水際対策21
日本側としての情報は業所管省庁が経済産業省以外の場合、厚生労働省のERFS(Entrants, Returners Follow up System)で最新情報を取得しましょう。
総合的な情報は、内閣官房のサイトにあります(2021年12月6日時点で水際対策21になっています)。
それでもHPに詳細がアップデートされるまでに、1日くらいはかかったりするものです。
ニュース報道をみるとつい気持ちがザワザワしてしまいますが、落ち着いて情報収集しましょう。
フィリピン出国手続
COVID-19前の通常運用でも、フィリピン人社員さんの出国手続は、最短でも2週間ほどかかっていました。
POEAの企業登録が済んでいるのが前提で、社員さんは日本大使館でビザのスタンピングを受け、健康診断、出国前の講習、各種費用の支払いなどもあります。
COVID-19後の現在では、これらに日本到着72時間前のPCR検査が加わっていますので、フライトとの調整が必要ですね。
また、ビザのスタンピングを受ける日本大使館では、COE(在留資格認定証明書)原本に加え、事前審査の審査済み証(コピー)と受入機関による申立書(コピー)を提示しなくてはなりません。
日本入国時には、ワクチン接種の国際的な証明書も必要です。
現地エージェントさんは、これらの書類の管理受け渡しやサインやら日程調整やらを、一手に請け負ってくれています。
当社では、現時点で直接雇用を希望する顧客がなかったのがせめてもの幸いでした。
現地で社員さんが自力でこれらの手続をするのは、ハードルが高いと思います。
手続だけじゃない、社員さんの負担
事前審査が完了していた社長さんからうかがったお話しです。
今回の突然の入国制限で会社はもちろんなのですが、社員さんご本人への影響も大きいと。
出国の準備は手続だけでなく、当然フィリピンの住居の解約や持ち物の整理、荷造り、親しい人への挨拶などもありますよね。
一旦出国の見通しが立ち、大急ぎで準備していたはずが、またストップがかかったのですから。
かかる費用や手間だけでなく、今どのようなお気持ちでいらっしゃるかを思うと、こちらまで切なくなってしまい言葉が見つかりません。
どうか気を取り直してもう1ヶ月、待っていていただきたいです。
制限解除後も要注意
今回の入国制限は、12月いっぱいと聞いています。
制限解除後にしれっとルールが上乗せされる可能性もあると思っており、油断禁物です。
他国の例ですが、米国ではすべての入国者に対し、搭乗前24時間以内のPCR検査を義務づけました。
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